■プロフィール

Author:萩原忠幸
漢方薬局三代目、自身の漢方歴34年。医学部の学生や現役の薬剤師の方に漢方を教えるかたわら、漢方専門薬局にて病気で困っている方の漢方治療をしています。精神の悩みに対して「ゆううつイライラ不安」という本を出版し、漢方専門書にも投稿しています。このブログでハギワラの漢方ってそんなことができるの、そんな病気が治るの、そんな見方をするのということがご紹介できたらと思っています。

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第13話 肥満と不妊症の悩み
 Aさんは、結婚後5年がたちましたが、なかなか妊娠することができません。さらに、結婚してから体重も増え、いろいろダイエットも試みたのですが、肥満は解消されません。食事も生野菜中心にしているのですが、体重は依然として落ちません。最近では、生野菜を食べ過ぎると、腹痛や下痢をするようになりました。
 身体が重だるく、疲れると尿量が減り、むくみが出ます。生理も遅れがちで、生理痛があり、白色のおりものが多く出ます。
 Aさんは痰湿阻滞証といって、身体に不必要な水分がたまってしまい、その水分が生理や妊娠を正常にコントロールする衝任脈の流れを悪くするために、妊娠することができなくなってしまったのです。
 生野菜は衝任脈や子宮を冷やすことと、水気を助長する作用があるのです。Aさんには痰湿を取除く処方を飲んでもらい、煮物を中心に食べていただきました。すると、前より食べているのに、体重が減り始め、8ヶ月後に妊娠することができました。
 妊娠中も体調を整えるために、漢方薬を服用していただき、無事男の赤ちゃんを出産されました。

心と体 | 23:32:00 | Comments(0)
第12話 やらないといけないとわかっていても気がめいってやる気になれない
 Dさんは、去年、ツアーでグアムに旅行に行きました。その際、現地でいろいろ世話をやいてくれた男性の案内人を好きになってしまいました。日本に帰ってからは、簡単に会えるわけもないので、あきらめようと思うのですが、あきらめきれません。
 そんな毎日を過ごしているうちにめいってしまい、仕事もやる気になれず、うつうつとした日が多くなってしまいました。きちんと仕事をしないと気がすまないDさんのはずが、仕事もウッカリミスが多くなり、段取りも悪くなってしまったのです。最近では、食欲もなくなり、たちくらみやめまいもし、生理もだんだん遅れがちで、来ない月もあります。

 Dさんは、会いたくても会えない気持ちから、精神を自分らしくのびのびとする役目をする肝気が鬱してしまいました。これはうつ病のことではありません。健康な人でもこんな気持ちになってしまったら、同じ状態になってしまうでしょう。決して病的なものではありません。これをうつ病としてもし治療するようならば、Dさんの健康な精神がもっと狂ってしまいます。
Dさんには、肝気をのびやかにする漢方薬を飲んでもらいました。すると、会いたい人のことは当然気になるのですが、また休暇を取って会いに行けばいいやと、割り切れるようになったのです。
 これは割り切ろうと思い込むのとは異なり、こころの底からそう思えることを意味します。意識して割り切ろうとすればするほど、そのことが頭から離れなくなることがあり、かえって意識してしまうことになりかねません。
 肝気をよくするということは、こころの面でのゆううつな気持ちやめいりを解き放ち、こころや体の不調のブレをもどしてくれる手助けをしてくれるのです。 

心と体 | 11:52:30 | Comments(0)
第11話 間質性膀胱炎の痛みと頻尿が漢方薬で楽に

 間質性膀胱炎は、未だに原因がはっきりとしておらず、環境、感染、機械的刺激、アレルギー、免疫、神経血管性などが関与していると考えられている。
 最も多い症状は頻尿と尿意、また尿意を催した時のがまんしにくい切迫感である。次に多いのが尿が膀胱にたまったときに起こる痛みである。痛む部位は膀胱、骨盤周囲、下腹部、大腿部、膣、外陰部など人により様々である。
 患者は75歳の女性で、朝から寝るまでに8から10回、睡眠時に4回排尿があり、尿が膀胱にたまると、下腹部にズキーンと痛みが起こる。痛みがきてトイレに行っても、回数が多い時にはチョロチョロしか出ないこともあり、尿道の先にしみる痛さもある。尿検査では細菌はなく、間質性膀胱炎と診断された。2か月以上も薬を指示通りのんでいるが一向に良くならないという。睡眠中でも痛みで目がさめるので、寝た気がせず、だるい。

 こんな状態であるので、漢方薬3種類を分量を調節しながら10日分飲み終えたところ、痛みも軽減し、さらに5日分飲み終えてほとんど痛みはなくなった。

心と体 | 21:58:04 | Comments(0)
第10話 五月病と呼ばれる病気
四月も後半に入りゴールデンウィーク前後になると、よく耳にするのが、"五月病"という言葉。単なる倦怠感のように思われがちな五月病ですが、れっきとしたストレス疾患です。心の病気なので、誰もが発症する可能性があります。憂鬱な気分やヤル気がでないことに加えて、身体的症状として眩暈、目のかすみ、手足のしびれ、肩こり、食欲不振、疲れやすい、朝起きられない、動悸・息切れ、不眠、顔のほてりなど。精神的症状として、不安感、記憶力の低下、イライラなど。これらの症状がある方は要注意です。ところが最近では五月だけではなく一年を通してみられるようになってきました。ストレスの多くなってきた世情からかもしれません。今回はそんな方に朗報の症例です。
患者は16歳の男子です。中学一年生の冬から朝に起きられなくなる。中学二年生の時学校には行けるが、メンタルクリニックに通うようになり、鬱ではないかと診断された。中学三年生の時、昼ごろに起きだし学校に通う日々が続く。その後、インターネットの情報により「自律神経症ではないか?」と思い中学三年生12月から他店にて一年間漢方薬(半夏瀉心湯、平胃散、柴胡桂枝湯)を服用した。朝に起きられるようになり、高校にも通っているが、依然として朝は気持ちが悪く悪心があり、最近悪化したので来店。

症状を聞いてみたところ、朝に気分が悪いのが悪化し、頭が重い感じがする。食欲はあり、便は緩めで軽い腹痛がある。体はダルイのでヤル気がでないと。学校には行きたいが行く気が出ず、午後からヤル気が出てくる。寝つきは睡眠導入剤を服用しているので良いが、0時から7時位まで寝るが朝に起こされても起きられない。足冷えは無く、暑がりだが汗はかかない。緊張しやすく心配性(特に新しい事、初めての事に対して)で、外出すると尿が近くなるとの事。

これらの症状に対し、漢方薬で気力を高め、頭の症状を改善できるAと、胃の中の痰飲といって吐き気を起こす余分な水分を取り除くBを飲んでもらうことにした。
10日後に様子を聞いたところ、 悪心、腹痛、頭の重い感じ、気力が前より良くなり、朝も自然に起きられるようになった。1ヶ月後には病院の睡眠導入剤の服用もやめる程に回復し、その後漢方薬を減らす段階に入っている。


未分類 | 11:35:05 | Comments(0)
第9話 膝の痛みや弱りに
お年寄りが増えて、最近では足腰のコマーシャルがやたらと目に付く。膝の関節のために飲むヒアルロン酸やらグルコサミン、コラーゲン、コンドロイチンなどさまざまである。しかも宣伝どおり良くなると思って何ヶ月も飲んでいる人もいる。ところが実際には次のような人が多いのである。
 椅子などに座っていて、立ち上がって歩き始めが痛み歩き出すとだんだん楽になってくる人、また歩きだしてからだんだん痛くなり、途中で少し休んで痛みが楽になってからまた歩き出す人、患部が熱をもって腫れていて長くは歩けない人など全部原因が異なりますし、治療法も当然違います。
 一律に膝にはこれがいいというわけにはいかない、ということがわかると思います。しかし、商品のコマーシャルではそんなことを説明しませんし、膝がよくなるようなイメージをあたえるようなものばかりです。メーカーに聞いてみると、効果があるとはいえないとか、効くとは言えないという返事が返ってきます。これは当然なことで、健康食品やサプリメントは医薬品ではありませんので、効くとはいえないのです。つまり、人による臨床データーをとってはいないからなのです。
 膝も人それぞれで、膝軟骨の減り具合、膝周囲の膝を支える筋力の弱り、冷えや湿度の影響など色々の条件を考慮して治療しなければなりません。くれぐれもコマーシャルを信じ過ぎませんように。


心と体 | 07:02:06 | Comments(0)
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